コラム「理解者がいることの心強さ、違いを認めることの豊かさ」

 新たな年が始まりました。皆さまにとって健やかで実りある一年になりますようご祈念申し上げます。
 私はそこそこ長い間、福祉業界に身を置き、相談支援の仕事をしています。その間、実に多くの方々とお会いしてきました。

一緒に仕事をするスタッフはもちろん、相談してこられる方、その相談対応に付随して出会う支援機関の方や行政機関の方、地域で活動している様々な機関や団体の方々、福祉以外の分野の方とも関わる機会がとてもたくさんあります。
 
 その中で、強く感じることが2つあります。
 1つは、理解者がいることの心強さ。自分が行なっている業務や考え・やり方などを理解してくれる人の存在があるということが、仕事をしていくうえで支えとなり、逆境や困難な状況におかれても乗り越えていける元気のもと、礎になっています。
 もう1つは、違いを認めることの豊かさ。自分と似かよった人と話すのはもちろん安心感があります。しかし、自分とは違う考えをもつ人、自分とは異なるやり方をもつ人との出会いは刺激となり、議論や試行錯誤を重ねることで、そこに発展という実がなります。
 この2つが、日々の仕事をやりがいのあるものにしてくれているなぁと感じます。これは、仕事上だけでなく、家族や恋人、友人関係、近隣関係においても同じことが言えるかもしれません。場合によっては発展せずに決裂してしまうこともあるでしょう。でも、それで終わりにせずに、それすらも試行錯誤のプロセスの1つと受け止めていきたいと思うのです。
 
 さて、このひと・くらしサポートネットちばには、様々なフィールドを持つ人たちが集まっています。とても個性的で強烈な魅力とも毒ともわからない熱を放っている人たち、ある意味、雑多な集団なのかもしれませんが、それだけに多様性に富み、異なるものを単純に排除しない懐の深さがあるように思います。
 そして、フィールドや手法は違えど、誰もが共通して持っているのが「より良い地域(ちば)をつくっていく!」という思いです。そこには揺るぎない信頼があります。
 そんな「仲間」たちと共に、明日のより良いちばを目指して、今日も一歩ずつ歩んでいきましょう。皆さんもご一緒に!

■執筆者:大戸優子(社会福祉法人ききょう会 いちはら生活相談サポートセンター センター長・主任相談支援員)

 

1972年、千葉県市原市生まれ。社会福祉士。
帝京平成短期大学福祉学科社会福祉専攻卒業後、1992年4月市原市社会福祉協議会に入職。ボランティアコーディネーター・福祉作業所指導員の職に従事。その後、知的障害者入所更生施設にて生活支援員、千葉県社会福祉協議会にて認知症グループホーム外部評価機関業務を経て、2006年4月中核地域生活支援センター事業に携わるため現法人に入職。中核地域生活支援センターいちはら福祉ネット所長兼地域総合コーディネーターを9年間務め、2015年4月より現職。2016年10月、生活困窮者自立支援事業に関わる県内の関係者による組織「千葉県生活困窮者自立支援実務者ネットワーク」を立ち上げ会長に就任。
ほかに、市原市総合計画審議会委員、市原市障害者介護給付審査会委員、市原市バリアフリー推進協議会委員などを受任。地元の楽しさと煩わしさに囲まれて、日々暮らし働いている。

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