先日、地元での福祉関係の方と法律職の勉強会(主に司法書士さんが企画・運営してくれている)に参加してきました。
テーマは「身寄り」の3文字でしたが、最初に確保していた会場がいっぱいになり、もう一部屋必要となるくらいの方の参加がありました。
話合われたテーマは色々ありましたが、たとえば・・
家を借りたり、病院に入院する時にも保証人が必要となる。保証人がいない場合どうしたらよいのか。
一人では金銭管理に不安がある。支援機関がお金を預かるような管理をしてよいのか?
事業所やケアマネに、不安なことがあるとひんぱんに連絡が来たり、病気で入院したほうがよいかなどの判断が求められるような問合せもある。
といった問題がありました。
話合って即解決とはならない問題も多いですが、「他の職種の意見を聞いてみる」「かかわっている複数の機関(事業所と行政など)で意識を共有して対応していく」などの感想がありました。
私は法律職ですが、身寄りのない方の後見人になり同じような悩みをもったこともあり、一人で抱え込まないのは大事な視点だと思いました。
このような福祉の現場では、法律職はあまり接点がなかったと思います。ただ、身寄りのない方の場合、「誰かが何とかしてくれる」ことがないので、課題が即法律問題となることも多いといえます。もっと日常的に、法的な観点からの意見を聞けるような機会が必要と思います。
「孤立」や「貧困」が大きな問題になってからだいぶ時間も経ちますが、上のような問題は本当に日常的な問題になっていると思います。これに対応できるような福祉や制度の充実もなかなか実現せず、苦しいことも多いですが、高齢になったり、失業や病気のとき、「頼れる人がいない」ことは誰にでも起ることだと思います。「身寄り」に頼らない社会は誰にとっても安心して暮らすために必要という理解を広げていきたいと思います。
■執筆者:神定 大(弁護士・茂原総合法律事務所)
1974年生まれ。2000年に弁護士登録し、当時弁護士がほとんどいなかった外房地区で開業。
当時、多重債務や次々販売などの消費者被害が多く、その中で福祉と司法の連携などに関わるようになり現在に至る。
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