コラム「弱る会」

 「ひと・くらしサポートネットちば」では2020年7月から、毎月第2土曜日18:00から定例で勉強会を始めました。話し合う会、しゃべりあう会、語り合う会です。Kさんの命名では「弱る会」と言います。

 第1回目の7月11日は「語り合わないと人間は弱る!!」と題して行いました。20代前半の若者からオジサンオバサンまで20名ほどの参加でした。話したことは社会保障の歴史のこと、行政のこと、仕組みやシステムのこと、人が変わること、自分のこと、貴方のこと等々です。

 

 平成最初の年からずっと福祉の仕事をしています。福祉を始めるきっかけがあった頃から現在まで、いくつかの転機がありました。

 お好み焼き屋の夜、秩父での衝撃、入職してからのとまどい、保護者の方からの一言、育成会会長の金言、ぶるどっくのこと、公園での出来事、プールのこと、茂原の居酒屋、先達の葬儀、母の葬儀、車上生活のオバサン等々。どれもその当時に僕と一緒にいて下さった人達との出来事です。色んな人に彩られて今の自分がつくられてきました。あの時あの時代にあの方との出会いが無ければ今とは違った渋沢になっていたかもしれないと思います。

 

 さて、今回のコロナです。2月終わりから様々な活動が中止になりました。もちろん夜の活動も自粛。予定のない週末が続くことになりました。仕事を始めてからこんな静かな週末は初めてのことです。

 様々なことがありましたが、その一つは人との付き合い方を変えざるを得なくなったことです。数カ月の間にオンラインで会議をすることが当たり前になりました。僕の事業所では全職員がスマホを持つようになりました。スケジュールを共有して簡単な打ち合わせは対面しなくても出来るようになりました。便利になりました。

 「不要不急」の外出は控えるように言われた自粛期間中に考えました。僕たちの仕事のどの部分は不要不急なのだろうか?仲間の一人は言いました。「スティホームというけれど、スティできるホームがない方にはどれほど残酷な言葉か!」と。

 僕たちが仕事でお付き合いさせていただく方は、社会の中での居場所が不安定な方が多くいらっしゃいます。そんな方とお付き合いをさせていただき、お互いに心地よい関係でいられることを願っています。「人はみな一人では生きていけない」って唄がありました。どんな場合でも誰かとのつながりを持っていくことは暮らしの中で必要不可欠なことなのだと思います。

 誰かと過ごすゆったりした空間から気づくことがあります。新しいものが生まれることがあります。彩り合いながら深まっていくように思います。

 

 「弱る会」はそんな機会の一つです。よろしければご一緒しませんか。

■執筆者:渋沢茂(NPO法人長生夷隅地域のくらしを支える会 理事長)

 

1964年千葉県生まれ。幼少時から父の仕事の関係で転校を繰り返す。高校、大学では麻雀とお酒を極める。

障害者の施設、地域支援の仕事をした後、中核地域生活支援センターの立ち上げに関わる。

現在は茂原市で、中核センター、生活困窮者自立相談、障害者計画相談、療育相談等を行うNPO法人理事長。

好きなことは、お酒を飲むこと、本を読むこと、体を動かすこと。大好きなことは寝る事。嫌いなことは嘘をつくこと、人混み。

最近は青汁を飲み始めて快調快便。

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