コラム「家族ってなんだろう」

 私たちが生活しているこの日本はなんて恐ろしい国になっているんだろう。怖い入国管理センター、子供に対して親の性暴力(虐待)、非正規雇用労働者のますますの増加、あいちトリエンナーレ、日本学術会議の任命拒否、なぜそうしたかの説明なし。

 大事なことを言葉にしないで、市民が忖度するようにうまく仕向ける、コロナ対策、政治家のことば・ごまかし、沖縄への仕打ち、大事なことが人々に意識されないままに時間の経過とともに忘れ去られていく、何事もなかったことになっていく、、、、、

 

 あ~でもいま、私の頭の中はSさんのことが渦巻く、、、、、どうして91歳のSさんは自分の一人娘を邪険にするのか。これではこの先同居は無理。独りでは暮らせない。でも特養に行くお金もない。

 Sさんの亡夫の作品の印税で母子は生活している。娘には娘同様に病弱な夫がいて子供はいない。娘の話だと、昔から母とは合わなくて苦しんできた。小さいころから喘息、パニック障害で病弱な娘、母との急な同居(母は一人で気ままに暮らしていたが、急な入院が長引きその間に、母の暮らしていた借家を娘が返還してしまい、退院後娘夫婦の家に同居・・そこはもともとSさんの家らしい)で気持も弱くなって、母親の一言がすぐに体調に影響する。その夫まで精神的に参っている。

 どうかSさん、家に帰っても、ここ(小規模多機能型居宅介護事業所 ふきのとう みんなの家さら)にいるときのように穏やかでいてください。

 家族の長い歴史の中で何があったか、母子それぞれの言葉の片りんから想像するしかないが、娘の訴えを聴くと、母Sさんは週に一度に帰る(ほとんどここに泊まっている)と居丈高で傍若無人、挙句「ここは私の家よ、出ていけ」のようなことまで言うのだとか。

 

 そういえば、今年100歳になるKさんもここではお茶目で可愛らしく、張り切り屋さんのおばあちゃんだったが、家に帰ると豹変し、長女に杖を振りかざしたりの乱暴・暴言を繰り返し、耐えられなくて娘はKさんを特養に預け、そのことで毎日涙していた。

 

 稀有な関係と思ってきたが、あるんだなー、こんなことが。家族だからといってそれだけで良い関係が築けているとは限らない。もしかしたら、何かの躓きに家族だからこそ、ずっと尾を引いてしまっているのか?認知症のせいだけではないような気がする。

 家族ってなんだろう、天国にも地獄にもなる、、。

 

■執筆者:國生美南子(特定非営利活動法人たすけあいの会ふきのとう)

 

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